DX

デジタイゼーション・デジタライゼーション・DXの違いは?具体例などもまとめて解説

「デジタイゼーション」は業務のデジタル化を意味する言葉です。似たようなものに「デジタライゼーション」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」もありますが、これらとの違いを正しく理解できているでしょうか。

この記事では、デジタイゼーションの意味や具体例のほか、デジタイゼーションによるメリットや取り組みの進め方について解説します。業務のデジタル化を検討されている方はぜひ参考にしてください。

デジタイゼーションとは

国連開発計画(UNDP)によると、デジタイゼーションは以下のように定義づけられています。

既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること
引用元:令和3年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーションの定義|総務省

ビジネスのデジタル化を考えるとき、「デジタイゼーション」のほかに「デジタライゼーション」「DX」という言葉もよく聞かれます。本章ではこれらの違いを説明します。

デジタイゼーションとデジタライゼーションとの違い

国連開発計画(UNDP)によると、デジタライゼーションは以下のように定義づけられています。

組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するより良い方法を構築すること
引用元:令和3年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーションの定義|総務省

デジタイゼーションとデジタライゼーションは、「デジタル化」という点においては共通しています。しかし、推進する目的と期待できる効果の2点において大きく異なっています。

目的効果
デジタイゼーション業務のデジタル化業務効率化の実現
デジタライゼーション業務プロセスのデジタル化業務プロセス効率化の実現

デジタイゼーションとは、今までアナログで行っていた業務をデジタル化し、業務の効率化をはかることです。既存の業務プロセスには変化を加えず、一部の業務にのみデジタル技術を取り入れることを意味します。

一方デジタライゼーションとは、業務プロセス全体にデジタル技術を活用し、業務プロセスに変化を加えることです。具体的には、IoTを活用し業務全体を自動化することや、製造分野でロボットを活用し業務の効率化をはかることなどが挙げられます。

デジタイゼーションとDXとの違い

続いて、デジタイゼーションとDXの違いも確認しておきましょう。政府はDXを以下のように定義づけています。

将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること
引用元:「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画の変更について(令和2年7月17日閣議決 定)」

デジタイゼーションとDXも「デジタル化」の取り組みである点は似ているのですが、推進する目的と期待できる効果が以下のように異なっています。

目的効果
デジタイゼーション業務のデジタル化業務効率化の実現
DX組織全体のデジタル化ビジネスモデルや組織の変革

デジタイゼーションが一部の業務に限定したデジタル化であるのに対し、DXは組織全体のデジタル化を意味しています。DXには組織をあげて取り組むことになるため、ビジネスモデルや組織そのものに大きな変化を加えることが可能です。

デジタイゼーションによって実現した業務効率化が業務プロセスに変化を与え(デジタライゼーション)、さらにデジタル化の範囲を組織全体に広げることでDXにつながるとイメージするとわかりやすいでしょう。

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DXに企業が取り組むべき理由

企業がDXに取り組むべき理由には、以下のようなことが挙げられます。

・ビジネスを取り巻く環境の変化に対応するため
・「2025年の崖」を回避するため

それぞれみていきましょう。

ビジネスを取り巻く環境の変化に対応するため

近年、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化しています。具体的には以下のようなことが挙げられます。

・市場のグローバル化
・消費者ニーズの複雑化
・働き方の多様化
・労働力不足

このような変化に対応するにはDXが有効だといわれています。

たとえば、インターネットを活用すればグローバルな視点で市場の動向を把握できますし、ビッグデータを活用すればさまざまな消費者ニーズに対応できるでしょう。ITツールの導入でフレキシブルな働き方が可能になったり、デジタル技術の活用で労働力が不要となり労働力不足が解消したりすることも期待できます。

日々変化する環境に対応するために、企業はDXに取り組む必要があるのです。

「2025年の崖」を回避するため

企業がDXに取り組むべき理由として、「2025年の崖」の回避が急がれているからということも挙げられます。「2025年の崖」とは、DX競争において多くの日本企業が世界から大きく後れを取ってしまう問題です。

とくに懸念されているのが、レガシーシステムの放置による損失です。レガシーシステムとは、ひと昔前に導入されたシステムを指します。導入から時間がたち老朽化しているうえ、過剰なカスタマイズによって複雑化しているのです。このレガシーシステムを放置すれば、2025年頃にはシステムトラブルやセキュリティ事故、データの流出・滅失などのリスクが高まると予測されています。

2025年の崖を回避するため、レガシーシステムを刷新し、DXに取り組むことが急がれているのです。

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デジタイゼーションの具体例

デジタイゼーションとは具体的にどのようなことなのでしょうか。例として以下の3つを紹介します。

・オンライン会議ツールの導入
・書類のデジタル化
・営業用デジタル端末の導入

オンライン会議ツールの導入

オンライン会議ツールとは、同一の場所にいない人とも容易にコミュニケーションがとれるツールです。自宅にいながら社内の会議に出席できたり、取引先の元に出向かなくても必要な場面ですぐに打ち合わせができたりします。移動が不要になることで、交通費や移動時間をカットできるため、経費削減にもつながるでしょう。

書類のデジタル化

書類のデジタル化もデジタイゼーションのひとつです。書類を紙の形で保存しておくと、保管場所が必要なうえ、書類の整理も欠かせません。書類をデジタル化すれば、保管場所や管理の手間が不要になります。目的の書類を検索するのも容易になるなど、書類をデジタル化することで得られるメリットは豊富です。

営業用デジタル端末の導入

デジタイゼーションを導入している多くの企業は、営業にパソコンやタブレットなどのデジタル端末を導入しています。同じ情報でも紙の資料よりも多彩な見せ方ができたり、インターネットを通じてリアルタイムな情報を取得できたりするため、説得力のある効果的なプレゼンができるでしょう。

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デジタイゼーションによって得られる効果

デジタイゼーションによる効果をひと言でいうと「業務効率化の実現」です。では、デジタイゼーションをすることで、どのように業務効率化になるのでしょうか。本章では、以下の3点を紹介します。

・作業の自動化
・作業の高速化
・人的ミスの削減

作業の自動化

デジタイゼーションに取り組むことで、さまざまな作業を自動化できます。たとえば事務作業のような、手間がかかるわりに手順が決まっている業務をデジタイゼーションすれば、労働者の作業時間をカットできるでしょう。少ない労働者でもスムーズに業務を遂行できるようになり、業務のムダを省けます。

作業の高速化

デジタイゼーションによって、スピーディになる作業も多くあります。たとえば、書類をデジタル化することにより、作成や管理にかかる時間を短縮できます。また、営業にデジタル端末を導入することで、求められた情報をすぐに提示することも可能です。あらゆるシーンにおいて作業の高速化が実現することで、業務を効率的に行えるでしょう。

人的ミスの削減

デジタイゼーションによって人間が行う作業が減ると、人的ミスも減らせます。たとえば、経理における入力や集計は人的ミスが生じやすい業務です。このような業務にデジタイゼーションを導入すればより正確な作業が実現でき、業務の遂行がスムーズになるでしょう。

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デジタイゼーションの進め方

デジタイゼーションは以下のような手順で進めます。

1.業務プロセスの可視化

2.デジタル化すべき業務の洗い出し

3.ツールの検討

4.実行

ひとつずつくわしくお伝えします。

1.業務プロセスの可視化

デジタイゼーションを進めるにはまず業務プロセスを書き出し、可視化することからはじめます。その際、以下のような点に注目してみましょう。

・どのような業務をどのような手順で行っているのか
・どのような人がかかわっているのか
・どれくらいの時間をかけているのか
・どのような点に気をつけているのか

できるだけくわしく書き出すことで業務を正しく把握でき、効果的なデジタイゼーションの導入につながります。

2.デジタル化すべき業務の洗い出し

次に、可視化した業務プロセスを、デジタル化する部分とデジタル化しない部分にわけます。必ずしもデジタル化が最良とはいえません。デジタル化すべき業務かどうかの判断は、企業によって異なりますので、現場の意見も聞きながら慎重に判断しましょう。

3.ツールの検討

デジタル化する業務を決めたらツールを検討します。既存のツールを活用できるのか、新規でツールを導入する必要があるのか、新たに導入する場合はどのツールを選ぶのかなどを、使いやすさや予算などを踏まえて検討しましょう。

4.実行

使用ツールが決定したら、いよいよデジタイゼーションの実行です。担当者を配置し、既存の部門と連絡を取り合いながら進めましょう。ミスの発生数や作業時間などのデータを残し、デジタイゼーションの効果が出ているのかをチェックすることも大切です。

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デジタイゼーション成功のポイント

デジタイゼーションを進める際、気をつけたいポイントは以下の3点です。

・目的を明確にする
・現場の意見を大切にする
・スピーディーに進める

いずれもデジタイゼーションを成功させるために必要なことですので、しっかりと頭に入れておきましょう。

目的を明確にする

デジタイゼーションを成功させるには、目的を明確にしてから取り組むことが大切です。「業務のデジタル化によって何を実現したいのか」が明確であれば、デジタル化すべき業務の洗い出しやツールの検討もスムーズにできるでしょう。

現場の意見を大切にする

デジタイゼーションの必要性はわかっていても、業務内容の変更に抵抗感をもつ労働者は一定数いると考えられます。現場の意見に耳を傾けながら進め方を検討しましょう。また、デジタル化したほうがよいと考える業務や、ツールに求める機能なども現場の人にヒアリングし、参考にするとよいでしょう。

スピーディーに進める

デジタイゼーションはDXのファーストステップです。将来的にDXの実現をめざしているのなら、デジタイゼーションはスピーディに行いましょう。既存のツールやシステムで使えるものがあれば活用するのもひとつの方法です。

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まとめ

ビジネスの環境が大きく変化している現在、業種や規模を問わず、あらゆる企業でデジタイゼーションの導入が求められています。デジタイゼーションを進めることで業務が効率化すれば、労働力不足の解消や生産性の向上などにもつながるでしょう。

とはいえ、実際にデジタイゼーションを進めようとすると、さまざまな悩みが出てくるものです。そのような場合には、ITマネジメントツールとしてはもちろん、業界に合わせた支援が可能な「J’s X(ジェイズクロス)」がおすすめです。J’s Xは、業務と業務の間に発生する「コミュニケーション」をデジタル化し、部門をまたぐ業務を束ねて一気通貫で流すことができるデジタルワークフローシステムです。業務を進めていく上で必要な機能を、業界特有の業務に合わせてご利用いただくことができます。お客様に寄り添ったリアリティのある支援が可能ですので、ぜひご検討ください。

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