DX

【DX推進の成功事例13選】国内・海外の事例をさまざまな業種別に紹介

dx 事例

デジタル競争の激化や人材不足などにより、多くの企業がDXの必要性を感じているのではないでしょうか。一方で、具体的にどのように進めればよいかわからず、DXを推進できていない企業が多いのも現実です。

本記事ではDX推進の成功事例をさまざまな業種別にご紹介します。今後、自社でDX推進に取り組む際の参考にしてみてください。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXとは、ビジネスにデジタル技術を導入し、ビジネスの運営方法や顧客への価値提供方法などビジネスに関わる事象すべてを根本的に変革することを指します。経済産業省の「DX推進ガイドライン」では、DXについて以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

また経済産業省では、産業界においてDXを進めるため、「デジタルガバナンス・コード」に基づき、さまざまな施策を展開しています。

経済産業省「DX 推進ガイドライン」
「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」

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DX推進が成功している状態とは?

DXは単なるデジタル化やIT化ではありません。そのため、今までの仕組みをデジタル化・IT化しただけではDX推進が成功している状態とはいえないでしょう。

真にDX推進が成功している状態とは、企業内に事業変革のための体制が整備され、変化する環境に迅速かつ柔軟に対応できる状態を指します。一部の部署やサービスだけでなく、会社全体が根本的な改革に取り組むことが重要です。

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海外企業のDXの成功事例

海外企業のDXの成功事例を3つご紹介します。これらの事例を参考に戦略を設計し、DX推進の先にある状態を具体的に考えてみましょう。

【配送業】Uber

「Uber」は、配車アプリにより配車から料金決済までを簡単にできる仕組みを確立し、タクシー業界に大きな変革をもたらしました。

その結果、タクシードライバーは自分の時間を有効に使い、需要に応じて柔軟に働くことができるようになったのです。また、利用者にとってはタクシーが普及していない場所でも便利にタクシーを利用することが可能になりました。

また、Uberは「Uber Eats」を通じて、飲食店と連携し食料品を配達することで、日常生活にも大きな変革をもたらしています。

【娯楽・メディア業】Netflix

実店舗でDVDをレンタルする際には、顧客に労力がかかったり、延滞料金が発生したりするという課題がありました。そんななか、NetflixはオンラインでのDVDレンタル・販売を行うことで革新的なサービスを提供したのです。

さらに、従来の単品のレンタル形式をサブスクリプション型に変えることで、ユーザーの不満を解消し、満足度と継続率の向上に成功しました。その後、ビジネスを拡大し、現在では世界的なコンテンツ配信企業となったのです。

Netflixの成功のカギは、顧客の不満や課題に目を向け、変化に適応する柔軟性と創造性にあるのではないでしょうか。

ネットフリックスという世界的企業はいかに誕生したのか

【小売業】Nike

Nikeはスニーカー市場において強い影響力をもっています。しかしながら、2017年に業績が低迷し、同社は「トリプル・ダブル戦略」というデジタルを活用した新しい戦略を打ち出したのです。この戦略には、「顧客との直接的なつながりを2倍にする」という目標があり、目標達成に向け同社はアプリ開発に注力しました。

その結果、顧客がダウンロードして登録すると、実店舗での試着室予約や靴サイズのリクエスト、特別オファーの受け取りなどができるアプリを展開するに至ったのです。

さらに、顧客が自分の足をスキャンして最適な靴を見つけることのできる「Nike Fit」というアプリも開発しました。これにより、顧客データの収集や顧客ニーズに合わせた商品設計が可能になりました。

結果として、Nikeは顧客とのつながりを強化し、顧客ロイヤルティと売上を増加させることができたのです。

米国企業におけるDXの成功例

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【DXグランプリ2022選出】国内企業のDXの成功事例

経済産業省は、東京証券取引所と独立行政法人情報処理推進機構とともに、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」を選定しました。「DX銘柄2022」には33社、「DX注目企業」には15社が選ばれました。これらの企業は、単なる情報システムの導入やデータの利用だけでなく、デジタル技術を活用したビジネスモデルや経営の変革に挑戦しています。

「DX銘柄2022」選定企業33社のなかで、特に優れた取り組みを行った2社が「DXグランプリ2022」に選ばれました。その2社の事例について、ご紹介します。

「DX銘柄2022」「DX注目企業2022」を選定しました!

中外製薬株式会社

中外製薬株式会社は、次の3つの基本戦略を通じてビジネスを変革し、社会に貢献するヘルスケアソリューションを提供しています。

1.デジタル基盤の強化:IT基盤の確立とデジタル人財の育成、新しい価値の創出を目指します。

2.すべてのバリューチェーン効率化:AIやロボティクス、AR/VR等のデジタル技術を活用してプロセスの効率化を目指し、患者さんや医療関係者の治療支援に貢献します。

3.デジタルを活用した革新的な新薬創出(DxD3):AIやその他の先端技術を活用して、新規医薬品候補の創出や創薬の成功確率の向上を目指します。具体的には、デジタルバイオマーカー開発や、患者の生理学的データを利用した新たな価値の提供、ゲノムデータやリアルワールドデータ(RWD)の解析を通じた臨床開発プロセスの刷新を行います。

「デジタルトランスフォーメーション “CHUGAI DIGITAL”」

日本瓦斯株式会社

日本瓦斯株式会社は、変化する社会環境に対応するため、DXの取り組みを推進しています。主な取り組みとして以下の6つがあります。

1.エネルギー託送:IoT機器でのデータ収集、個別データの暗号化、ブロックチェーンなどの技術を活用することにより、エネルギー業界全体に対して、託送の最適化と保安の高度化に役立つ仕組みを提供します。

2.スペース蛍:ガスメーターに取り付けてオンライン化するIoT機器です。これによって、より詳細な使用データの取得が可能になり、コスト削減にもつながります。

3.雲の宇宙船:ガス事業におけるさまざまな業務を一元管理するクラウドコンピューティングシステムです。各企業がより効率的かつ正確に業務を行うサポートをします。

4.マイニチガス:消費者向けのアプリで、月々のエネルギー使用量や利用料金を簡単に確認できます。

5.ノミマスター:受発注のプラットフォームサービスです。アプリを使ってメーカーと販売事業者を直接つなぎ、取引における中間処理を減らします。

6.ニチガスサーチ:情報の一元管理や対応が可能になる検索システムです。

「日本瓦斯株式会社「ニチガス、DXへの道のり」」

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【業種別】国内企業のDXの成功事例

DX推進はさまざまな業種で実施されています。以下では、国内企業のDXの成功事例を業種別にご紹介します。

【製造業】クボタ

クボタは、建機の故障診断ニーズが高い米国市場向けに、3Dモデル・ARを活用した故障診断アプリ「Kubota Diagnostics」を提供しています。販売代理店のサービスエンジニアがこのアプリを利用することにより、故障原因をビジュアルで素早く認識できるようになりました。また、建機故障時のダウンタイム削減やカスタマーサポートの業務効率化も実現しています。

製造業のDXの取り組みについては、経済産業省の以下の資料も参考にするとよいでしょう。

製造業DX取組事例集

【金融業】鹿児島銀行

鹿児島銀行は、地域に根ざす金融機関として、鹿児島県鹿児島市に本店を置く地方銀行です。同社はモバイルアプリの開発体制を構築し、顧客向けに「Payどん」という独自のキャッシュレス決済サービスを開発しました。

さらに、「よかど鹿児島」というキャッシュレス専用の商業施設をオープンし、地域に貢献しています。これにより、同社はブランド力を高めるだけでなく、DXにおいて模範となる取り組みを実現しました。

鹿児島銀行「DXへの取り組み」

【保険業】東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社

東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社は、グループのプラットフォームにFinTech機能を組み込むことで、多様な金融ニーズに対応したDXを実現しています。このFinTech機能により、ロボアドバイザーやおつり投資などが可能になりました。

また同社は、ブロックチェーン技術を活用した地域のデジタル通貨発行など、地域経済のDXにも貢献する取り組みを行っています。

東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社「デジタル」

【行政・地方自治体】東京都三鷹市

東京都三鷹市では2022年に「スマートシティ三鷹(仮称)の実現に向けた基本方針」を策定し、DXを推進しています。行政サービスの充実を図るため、5つの重点的に取り組むテーマを設定しました。具体的には、スマートスピーカーなどを活用した災害時の情報提供や、保育施設等の入所手続きのオンライン化などについて取り組んでいます。

このように、自治体では行政サービスにデジタル技術やデータを活用して利便性を向上させ、業務効率化を図ることが求められるでしょう。

総務省「自治体DXの推進」
スマートシティ三鷹(仮称)の実現に向けた 基本方針

【教育】トライグループ

「家庭教師のトライ」で知られるトライグループは、映像授業サービス「Try IT」を開発することでDXを実現しました。過去の生徒の学習傾向を分析し、テスト前に効率的に学習できるような仕組みをつくったのです。

また、オンライン授業中にスマホで質問できる機能も提供しています。スマホやタブレットにも対応しているため、幅広い層にリーチでき、会員数は100万人を超えるサービスになっています。

中学生・高校生向け映像授業サービス「Try IT」

【不動産】長谷工コーポレーション

長谷工コーポレーションは、マンションの設計・施工からマンション管理、リフォーム、大規模修繕、長寿命化、建替えまでを手がけている企業です。

同社はDXを推進しており、さまざまな取り組みを行っています。2022年にはスマートロボティクスと共同で、マンション建設現場向けの自動清掃ロボットを開発しました。このロボットを活用することで、現場の省人化・省力化による労働環境の改善を目指しています。

株式会社 長谷工コーポレーション「HASEKO DIGITAL TRANSFORMATION」

【アパレル】ユニメイト

ユニメイトは、レンタルユニフォーム事業を中心に、ユニフォームの企画・生産・販売、そしてクリーニングまでを手がけています。同社はモンスターラボと共同で、AI画像認識を活用した自動採寸アプリ「AI×R Tailor(エアテイラー)」を開発しました。

このアプリを使うと、画像データと基本データ(身長・体重・年齢・性別)を入力するだけで、おすすめのサイズが提案されるのです。これにより、サイズ交換件数を減らすことができ、労力とコストの削減につながりました。さらに、返品や廃棄も減り、環境保全にも貢献しています。

株式会社ユニメイト「エアテイラー」

【情報・通信業】KDDI株式会社

KDDI株式会社は日本の通信事業者で、携帯電話やインターネットサービスなどを提供しています。同社は通信を軸に、DXを通じて次世代のビジネスや生活の発展を目指しており、さまざまな取り組みを行っています。

そのなかの1つが「空間自在プロジェクト」です。JR東日本とともに進めているこのプロジェクトは、時間や場所にとらわれない豊かな暮らしを目指しています。

また同社は社内人財育成機関「KDDI DX University」を設立し、DX人財の育成にも力を注いでいます。

KDDI株式会社「KDDIのDX 」

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まとめ

当記事でご紹介したように、変化に適応するためのビジネス変革を進めている企業がある一方、既存ビジネスの変革は決して容易ではありません。

「J’s X」は、あらゆる業務を標準化し、シンプルにする業界特化型のソリューションサービスです。ビジネス変革を一気に進めるのは難しいものですが、J’s Xであれば、業務・部門といった単位からのスモールスタートが可能です。豊富なDX導入経験を活かし、企業のDX推進をサポートいたします。「J’s X」であらゆる業務プロセスを楽に、シンプルにしませんか。

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