新型コロナウイルス感染症が流行し始めてから「ニューノーマル」という言葉がよく聞かれるようになりました。ビジネスの世界でもニューノーマル時代の働き方が定着しつつあります。
本記事では、そもそもニューノーマル時代とはどのような時代なのか、また、その時代の働き方とはどのようなものなのかを、課題や企業の事例も挙げながら紹介します。
ニューノーマル時代とは?
ニューノーマルとは、新常態を意味する言葉です。従来の常識や考え方から変化するだけではなく、変化する前の状態には戻らない状態を指していることがポイントです。
アメリカでITバブルが崩壊した2000年代初頭に使われ始めた言葉といわれており、2008年のリーマン・ショック後や新型コロナウイルスの感染症の世界的流行でも使われています。
コロナ禍では手指消毒や三密を避けた行動などが推奨され、厚生労働省からは「新しい生活様式」が示されました。
ニューノーマル時代とDX推進の関係性
ビジネス面でも、ニューノーマルと呼べるような大きな変化がありました。飲食店ではテイクアウトやデリバリー需要に対応するため、スマートフォンのアプリで注文や支払いまでできる環境が整えられたのです。
企業では業務の効率化につながるシステムの導入やAIの活用など、さまざまな手法で企業がITを活用して業務やサービス改革を行うDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手しました。
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ニューノーマル時代における働き方の変化
企業がニューノーマル時代に新しい生活様式を取り入れ、DX推進に取り組んだことにより、従業員の働き方も変化しました。どのような変化が生じたのかを具体的に5つ、紹介します。
テレワーク・リモートワーク
コロナ禍ではウイルス感染を防ぐためには密を防ぐことが大切とされたため、オフィスで勤務する人数を減らして、オフィス以外で働くテレワークやリモートワークを多くの企業が導入しました。
感染の恐れが低くなったからといって、今後もテレワーク・リモートワークで働く人はゼロにはならないでしょう。多様な働き方を実現する手法の一つとして、今やその働き方は確立されているからです。
柔軟な通勤方法・勤務時間
多くの人が利用する公共交通機関は、ウイルスの感染リスクが高いとされていましたので、通勤方法・勤務時間にも変化がありました。
電車やバスなどの公共交通機関が混雑する「通勤ラッシュ」の時間帯をずらして出勤する「オフピーク出勤」が体表的な取り組みです。ほかにも、自家用車での通勤を推奨したり、勤務時間を変更して公共交通機関が混雑する時間帯を避けて出社させたりするような取り組みです。
多くの企業企業が、ニューノーマル時代に出社を求める場合には、感染防止対策を行った方法を採用しています。
非対面コミュニケーションの増加
テレワークやリモートワークが行われるようになり、非対面によるコミュニケーションの機会が増加しました。オンライン会議ツールやメッセージングサービスなどを利用し、まるでオフィスにいるような感覚でコミュニケーションを図ることが可能です。
非対面のコミュニケーションは、社外にも広がりました。対面で行っていた顧客先担当者との打ち合わせなどがオンラインで行われるようになりました。もちろん、商談も可能です。
やり方次第では、訪問が難しかった地域への営業も可能となり、商圏が広がる可能性も秘めています。移動にかかる時間や交通費が省けるというメリットも生まれました。
業務のオンライン化
ウイルス感染などのリスクを減らすため、これまで手作業で行っていた業務をオンライン化する企業も増えてきています。
従来は手作業でファイリングしていた紙資料をスキャンしてデータ化するような取り組みもあれば、紙資料自体をなくし、元々データでやりとりする「ペーパーレス化」を進めている企業もあります。保管したデータをオンラインで共有し、必要な情報をいつでも取り出せるようにして、より利便性を高めている企業もあるでしょう。
自動化業務の増加
ニューノーマル時代には、感染リスクを低減させるため、人が介在せずに業務が進むような自動化の取り組みも進んでいます。
今、日本で深刻な問題になっている人材不足を補う意味もあります。少子高齢社会で、今後も労働人口の増加は見込めないこともあり、ますます業務の自動化は進んでいくでしょう。
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「ニューノーマル時代の働き方」推進における課題
ビジネスの場面でもニューノーマル時代を迎えた今、企業ではこれまで通用していた常識が非常識と捉えられる可能性もあります。企業では業務のやり方だけでなく、組織のあり方や人事・採用など、さまざまな面で見直しが必要とされるでしょう。
採用・研修・評価体制の見直し
ニューノーマル時代は、従来は対面で行っていた人材の採用活動をはじめ、研修、評価まで、人事業務の見直しも必要です。
オンラインによる会社説明や面接、研修を行う場合には、機材の手配や操作が可能な人材の配置などが必要になってくるほか、スケジュールの検討も不可欠となるでしょう。人事情報をデータで取り扱い、オンラインで共有するのなら、システムの導入や運用ルールなども新たに設ける必要があります。
労務管理の煩雑化
全ての従業員がオフィスに出社しないニューノーマル時代には、労務管理が煩雑になります。出退勤をタイムカードで管理していたような企業であれば、テレワークやリモートワークの導入後には、オンライン上で出退勤を確認できるシステムの導入が求められるでしょう。
システムや使用機器等の環境の整備
テレワークやリモートワークを実現させるには、オンライン環境や使用する機器・機材の導入が欠かせません。オフィス外の勤務場所で使うPCを用意し、社内のデータにアクセスが可能なシステムやクラウドファイルサーバーの契約といったハード・ソフト両面の整備が必要です。
セキュリティ対策の見直し
テレワークやリモートワークでは、オンライン上でのコンピューターウイルス感染や情報漏えい、機密情報の入ったPCやディスクの紛失など、さまざまなリスクがあります。セキュリティ強化のためのシステムやツールを採用し、リスクに備えるだけではなく、機密情報に触れる従業員のセキュリティに関する知識を高めておく必要もあるでしょう。
コミュニケーション不足
ニューノーマル時代になり、オンラインによる社内会議や研修の機会、顧客との商談も増えました。いつでもつながれる環境ができ、活用している企業も多いことでしょう。
しかし、モニターの画面越しでのやりとりとなるため、複数人で話している場合は特に、相手の考えや感情を読み取るのは難しくなります。直接、対面する時と同じような濃度のコミュニケーションを図ることはしづらいといえるでしょう。オンラインでのコミュニケーションを促進するような工夫が必要となってきます。
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「ニューノーマル時代の働き方」の推進事例
ニューノーマル時代の働き方を検討している方は、自社でどのような取り組みから始めたらいいのか迷う方もいるでしょう。すでに新しい働き方を推進している企業を参考事例として紹介しますので、自社での取り組みとしてふさわしいか、シミュレーションしてみましょう。
富士通株式会社
日本のデジタル環境をソフト面・ハード面から支えている富士通株式会社。同社ではテレワーク制度は2017年から導入されていました。利用者は全体の約40%と伸び悩んでいましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により状況が変わりました。
同社は、ニューノーマル時代の働き方改革のコンセプト「Work Life Shift」を掲げ、「Work」と「Life」を豊かにする未来の働き方で、個人・企業・社会の成長を支えることを打ち出しました。
株式会社ミクシィ
日本のSNSの先駆けで、今はスマホゲーム事業なども展開する株式会社ミクシィは、オフィスを工夫することでコミュニケーションの活性化を図っています。
2020年3月に移転した新オフィスのコンセプトは「For Communication」(全てはコミュニケーションのために)。コンセプトを実現するために「Meet Up」(思い立ってすぐに会う)、「Switch Up」(オンオフの切り替えをする)、「Dream Up」(アイデアを生む)の3つの項目を掲げてコミュニケーションが活性化する設備や環境を整えています。
ヤフー株式会社
インターネット事業を幅広く展開するヤフーでは、約90%の従業員が在宅勤務をしています。一人ひとりの従業員が仕事とプライベートを両立させること、ライフイベントを経ても安心して働き続けられる、柔軟な働き方が可能な制度を設けています。
インターネットに接続できる環境であれば場所にとらわれず働ける「どこでもオフィス」や、フリーアドレス制のオフィスなども勤務場所として選択可能です。社員がデザインした在宅ワーク向けの組み立て家具キット「LODGE Remote Work Kit」も販売中です。
カルビー株式会社
菓子やシリアル食品の製造・販売などを営むカルビー株式会社。同社は、2020年7月から「Calbee New Workstyle」というニューノーマルな働き方を約800人のオフィス勤務者に適用しました。
オフィス勤務者へのアンケート調査を同年5月に実施したところ、6割以上の回答者から、コロナ禍前の働き方を変えたいと回答を得たからです。具体的には、オフィス勤務者のモバイルワーク無期限延長、単身赴任の解除、通勤定期券代を支給停止し出社日数に応じた交通費の実費を支給することにしました。
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まとめ
ニューノーマル時代の働き方は、企業のDX推進と切っても切り離せない関係にあります。自社のニューノーマルな働き方を模索しつつ、DXも進めていきましょう。
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