ワークフロー

業務改善に役立つフレームワーク13選 – 活用のメリットもあわせて紹介

業務改善 フレームワーク

業務改善とは、業務上の課題や問題点を見つけ、解決することによって業務の最適化を目指すことです。

企業の成長には、業務改善が欠かせないとされているものの、具体的に取り組めていない企業も多いのではないでしょうか。業務改善の取り組みには、フレームワークの活用がおすすめです。

今回は業務改善にフレームワークを活用するメリットを解説するとともに、代表的なフレームワークを紹介します。

業務改善でフレームワークを活用する重要性・メリット

業務改善にフレームワークを活用することは、どのような重要性があり、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

フレームワークを最大限に有効活用するためにも、フレームワークの重要性とメリットについて確認しておきましょう。

業務が可視化され課題が明確になる

業務改善のフレームワークを活用する際には、業務の可視化からスタートします。「誰がどのような業務をおこなっているか」「どの業務にどれだけの時間がかかっているか」など、業務を可視化することで、プロセス全体像を把握することが可能となります。

業務を洗い出す過程で、これまでに見えていなかった自社が抱える課題や問題点が明確となり、具体的な解決策も考案しやすくなることは、フレームワークで得られる大きなメリット といえるでしょう。

社内の課題への共通認識が持てる

業務改善のフレームワークによって、課題が浮き彫りになることは、自社が抱える課題への共通認識にもつながります。

言語だけで共通認識を持つことは難しいものです。しかし、フレームワークの活用によって業務を可視化することによって、共通認識が容易となります。

個人や特定の部門だけで課題を抱えるのではなく、社内全体で課題を認識し、共有することで、課題解決の具体的な対策も練りやすくなるでしょう。

労働環境の改善

業務改善のフレームワークは、労働環境の改善にも有効です。

長時間労働やサービス残業が常態化している企業は少なくなく、労働環境の悪化に気付きにくいものです。業務改善のフレームワークによって、業務を可視化し、見直すことで、作業の無駄を削減することが可能となります。

思考時間を短縮できる

どのような業務でも、思考時間は必要です。しかし、思考に時間がかかってしまっていては、その他の業務に支障をきたす恐れがあります。そもそも思考内容の論点がズレていては、限られた労働時間の無駄使いにもなりかねません。

業務改善のフレームワークを活用すれば、あらかじめ何を考えるかを絞り込むことができるため、思考時間の短縮化が期待できます。

コストを削減できる

業務改善のフレームワークの活用によって、コスト面のメリットも得られます。代表的なのが、ペーパーレス化によりコスト削減です。

たとえば、社内の提出書類に紙を使用していた場合、フレームワークを活用することで、ツール上での内容確認が可能となります。これまでかかっていたコピー紙やインク代など、紙媒体にかかるコストを削減できます。

従業員の満足度向上

無駄な業務は、従業員のモチベーション低下や離職を引き起こす原因となります。フレームワークによって業務改善を図ることで、無駄な業務を削除し、従業員がコアな業務に集中できる環境整備が可能です。

より高い価値のある業務を行い、従業員の労働環境における満足度を向上させることができます。近年増加傾向にある、離職のリスクを防ぐ効果も期待できるでしょう。

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業務改善の代表的なフレームワーク13選

業務改善に役立つフレームワークは数多くあり、「どのフレームワークを選べばよいのかわからない」と悩む方も多いでしょう。

ここでは、業務改善に役立つ代表的なフレームワークを紹介します。

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

BPMNとは、「Business Process Modeling Notation」を略した言葉です。ビジネスプロセスモデル、つまり業務フローを図式化するフレームワークです。

BPMNは、ビジネスプロセスモデルの表記に関する国際標準(ISO19510)として定められています。

図形や矢印などを用いる簡易表記のため、誰が見ても同じ意味として伝わり、個人差なく業務改善を進めることができます。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)とは、「Eliminate(排除)」「Combine(結合)」「Rearrange(交換)」「Simplify(簡素化)」の頭文字をとった言葉です。業務改善を図るために、順番と視点を示したフレームワークです。

ECRSの順番は、業務改善における優先順位を表しています。排除が最も業務改善の効果が高く、その次に結合、交換、簡素化の順に取り組むとよいとされています。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析とは、業務プロセスを「価値連鎖」とみなし、どの工程において価値が生まれるのかを分析するフレームワークです。

バリューチェーン分析を活用する際には、マーケティングや販売などの主活動と、技術開発や人事などの支援活動の2つに分類します。

工程ごとに分析を行うことで、強み・弱みを把握でき、競合企業との差別化を図るポイントを見出せます。各活動におけるコストの把握もできるため、企業全体のコスト削減にも有効です。

KPT

KPTとは、「Keep(維持すること)」「Problem(改善すべき課題)」「Try(次に試みること)」の頭文字をとった言葉で、振り返りによって業務改善を図るフレームワークです。

まずは、KeepとProblemを書き出して、それぞれの内容についてディスカッションを行います。問題点などを話し合った後、具体的にはどのような行動をとるのかをTryとして書き出しましょう。

KPTは、定期的且つ短期間で繰り返すことで、より高い効果を発揮するフレームワークです。

ロジックツリー(決定木分析)

ロジックツリーとは、物事を可視化し、課題の解決法を導き出すフレームワークです。ロジカルシンキング(論理的思考)の手法のひとつであり、問題を可視化して分解することによって、業務の可視化が行えます。

木が枝を広げるように、問題を細分化してツリー状に書き出すことから、ロジックツリーと呼ばれています。

ロジックツリーは、業務の停滞や生産性の低下といった悪影響を引き起こしているボドルネックの特定がしやすくなるフレームワークです。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとった言葉です。企業の業務改善や業務効率化を図り、生産性向上を目指せるフレームワークです。

PlanからDo、Checkと順に続けて行い、最後のステップであるActionまで終わったところで、また最初のPlanに戻るサイクルを繰り返すことで、計画から改善までの作業フローのルーティン化が可能となります。

MECE

MECE(ミーシー)とは、「Mutually Exclusive・Collectively Exhaustive」を略した言葉です。直訳すると、「それぞれが重複することなく、全体集合としてモレがない」となりますが、「モレなく、ダブりなく」という意味合いで使用されています。

MECEは、ロジカルシンキング(論理的思考)の基本概念ともいえる重要な概念です。

主観的になりがちな思考に客観性をもたせ、論理的に整理できるため、業務改善の正しいアプローチ方法を導き出せます。

5W2H

5W2Hは、業務改善を行う際の基本的なフレームワークです。

5W2Hとは、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」「How Much(いくらで)」の合計7つの要素で構成されています。

7つの要素を意識し、情報を整理していくことで、論理的に分類してまとめることが可能となります。情報伝達やプレゼンテーションといった、ビジネスでの幅広いシーンで活用できるフレームワークです。

4象限マトリクス

4象限マトリクスとは、横軸と縦軸の2つの軸を交差させることで4つのエリアを作り、カテゴリー分けをすることで、事象の整理と可視化が行えるフレームワークです。

業務改善を目的として4象限マトリクスを活用する場合、重要度と緊急度の2つを軸に設定します。物事の優先順位を正確に判断することで、優先すべきタスクが明確となり、業務の改善化が図れます。

時間を有効活用できることから「時間管理のマトリクス」とも呼ばれているフレームワークです。

マンダラート

マンダラート(マンダラチャート)とは、目標に向かって行動計画やアイデアを整理する、シンプルなフレームワークです。

まずは、3×3の9マスを用意し、中央のマスに行動の目的を書き込みます。周囲のマスにはその目的を達成するために必要なタスクを記入します。そこからさらに放射状に広がるように、9マスの枠を増やし、81マスとすることで、さらなる細分化が可能となります。

マンダラートは、メジャーで活躍する大谷選手が活用していたことでも有名なフレームワークです。

As is/To be

As isは現在の状態、To beは理想の状態を表し、現状の問題と理想の状態を把握するために役立つフレームワークです。

まずは、理想とする企業の姿(To be)を書き出し、それに対する現状を(As is)を書き出しましょう。理想と現実を見比べることで、ギャップが明確となります。ギャップの要因を明確にすることで、取り組むべき課題が浮き彫りとなり、具体的な業務改善に取り組めるようになります。

RACI(レイシー)

RACI(レイシー)は、「Responsible(実行責任者)」「Accountable(説明責任者)」「Consulter(相談先)」「Informed(報告先)」の頭文字をとった言葉です。チーム内において、誰がどのような役割で関わるのかを示し、責任範囲を明確にするフレームワークです。

それぞれのメンバーが果たすべき役割と業務の責任範囲を明確にすることで、業務を円滑に進められるようになります。誰も対応していない業務にも気づくことができ、人員の確実な確保も可能です。

PERT(パート)図

PERT  (パート)図とは、「Program evaluation and review technique」を略した言葉です。直訳すると「工程の見積と評価の技法」という意味があり、タスクの所要時間やスケジュールなどの情報を組み合わせ、業務全体の流れと図表化できるフーレムワークです。別名アローダイアグラムとも呼ばれています。

丸印で表現したタスク同士を矢印で結んで、業務の流れを図表化します。矢印の上部には、所要時間や日数などの情報を加えることで、全体の流れとスケジュールを視覚的に捉えられます。

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まとめ

ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代社会で生き抜くためには、企業の業務改善が必要不可欠です。フレームワークを活用し、効率良く業務改善を進めましょう。

フレームワークを活用する場合は、自社の課題に見合った適切なフレームワークを選ぶ必要があります。また、フレームワークだけに頼るのではなく、その他の業務効率化に役立つシステムやツールを併用するとよいでしょう。

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