業務効率や生産性をあげたい場合、ワークフローの作成や見直しを行うことで、大きな効果を得られる場合があります。図式化することで業務の流れを可視化すれば、無駄な作業や非効率的な工程を見つけやすくなるので、改善につなげられるのです。
また、わかりやすいワークフローを作成することで、仕事内容の理解を促し、社内でのスムーズな連携につなげることができます。
今回は、ワークフローの作成方法や、業務効率をあげる効果的な図式化について、作り方のポイントをご紹介します。
ワークフローとは
ワークフローは、work(仕事)とflow(流れ)の単語から成り立つ言葉で、業務や作業の流れを意味するものです。図式化したものを指す場合もあります。
ワークフローの作成は、業務効率をあげたい場合に効果的な手段の1つです。
業務をしていると、どんな方法であれ一連の流れが出てくるものですが、効率が悪い順番やミスが多発する方法で作業を行っていると生産性が低くなってしまいます。最も効率的で間違いの起きにくい流れを、基本的なワークフローとして定めておくことが重要なのです。
ワークフローについては、下記の記事でも詳しく紹介されているので、ぜひ参考にしてみてください。
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ワークフロー図とは
ワークフロー図とは、ワークフローを書き示した図です。業務における作業や工程の流れを書き出して作成します。図示することで視覚的に捉えることができ、作業内容や進め方が一目でわかるようになるのがメリットです。内容の理解をサポートするだけでなく、改善すべき問題点も発見や考察がしやすくなります。ワークフロー図の活用は一般企業をはじめ、マーケティングや製造、教育などのさまざまな分野で取り入れられています。
図形の中に作業内容や工程の手順を書き、矢印でつないでいく形で作成するのが一般的です。開始から終了までの作業を1つずつ書き出し、途中で必要な処理があれば書き加えたり、対応が分かれる作業は分岐させたりして作成しましょう。
簡単な図の作成なら、Wordなどの文書作成ソフトやExcelなどの表計算ソフトで作成できます。複雑なものや多くの図を作成したい場合は、専用ツールを使うと効率的に作ることができるので、おすすめです。
ワークフロー図の導入メリット
ワークフロー図を作成すると、業務の流れが可視化できるという点が大きなメリットです。業務効率の改善を図る際には、問題点を見つけるための手助けとして欠かせません。また、作業が直観的にわかりやすくなるため、従業員の業務理解や連携に役立ちます。
ワークフロー図を導入することで得られるメリットを詳しく解説します。
業務効率の改善に役立つ
可視化できる図を作成すると、業務中の作業が一つひとつ図示されるので、無駄な作業や非効率的な工程を見つけやすくなります。「この作業は自動化システムを導入できないだろうか」「ここは順番を入れ替えたほうがスムーズに進みそうだ」などの考察もしやすくなり、業務効率の改善に大きく役立つでしょう。
業務の理解を促す
業務の直観的な理解を手助けできる点も優れています。作業の進め方や内容を一目で読み取ることができるので、従業員が業務をスムーズに理解できるようになるでしょう。また全体像をつかんだり、担当する工程の前後の流れを把握したりといったことも行いやすくなります。
スムーズに連携できるようになる
従業員間のスムーズな連携にも役立ちます。図式化することで作業内容だけでなく、担当者や途中で必要な処理なども確認できるので便利です。作業に関わる担当者同士が、互いの作業や自分のポジションを理解しやすくなり、協力して業務にあたりやすくなります。
複数の部署にまたがる業務では、担当部署や前後の流れが一目でわかる図を作成しておけば、部署間での相互理解を促し、連携が図りやすくなるでしょう。
ワークフロー図の作成方法・書き方
実用的なワークフロー図を作成するためには、いきなり図式化するのではなく、作成前にしっかり情報整理を行うことが大切です。ワークフロー図の作成方法について、効率的な手順や書き方を解説します。
作成の目的を明確にする
まずは、作成の目的を明確にしましょう。同じ業務についてのワークフロー図でも、担当者が作業内容の確認で使う図と、クライアントへの説明に使う図とでは、書き込むべき情報が異なります。誰のためのワークフロー図か、どのような場面で使うものか、といった目的を最初に明確にして、意識しながら作っていくことで、実用的なワークフロー図を作成できるのです。
業務に関わる人物と仕事内容を洗い出す
業務を構成する要素を把握するために、業務に関わる人物を洗い出しましょう。作業担当の従業員だけでなく、関連するチームや部署、外部の業者やクライアントまで確認します。
仕事内容についても洗い出しましょう。使用する書類やシステム、他のプロジェクトとの関連も確認しておきます。関わる人物と仕事内容を漏れなく把握しておくことが、必要事項を的確に書き込んだワークフローの作成につながります。
業務の整理
ワークフロー図は一般的に、メインの処理を1つ書き、そこから派生する処理を枝分かれさせて書くと、流れが見やすくわかりやすい図になります。そのため業務を整理して、メインの基本処理の大きな流れと、派生する各処理をそれぞれまとめておきましょう。1つずつ仮の作業名もつけておきます。
簡易フローの作成
本格的なワークフロー図を作る前に、簡易フローの表を作成します。見やすいワークフロー図を作成するためには、書き込む内容を適切に取捨選択することや、図形をわかりやすい位置関係で配置することがポイントとなります。的確な図式化をするために、まず文字情報で簡易フローを作って、処理の内容や関連性を整理しておくことが重要なのです。
簡易フローの表は、前のステップで名前を付けた作業ごとに、内容や担当者、必要なものなどをまとめましょう。作業は時系列に並べ、流れがわかるようにしておきます。
図式化の実施
簡易フローに基づき、ワークフロー図を作成します。図形の中に作業内容を書き込み、矢印で流れを持たせて図式化しましょう。時系列や関連の深さを意識して、わかりやすい適切な配置を心がけながら、処理を図に落とし込むのがポイントです。
分岐が複雑であったり、図が広がりすぎたりする場合は、フローを分割するなどの工夫が必要かもしれません。作業目的を再確認し、見やすさや使いやすさを意識して図式化しましょう。
ワークフロー図作成のポイント
ワークフロー図は、時系列やわかりやすさなど、いくつかのポイントを意識することで活用しやすい図を作ることができます。また、より効果的なワークフロー図を作成したい場合は、専用ツールの活用もおすすめです。
ワークフロー図を作成する際のポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
時系列を意識する
ワークフロー図は、業務の一連の流れを図式化するものです。流れをスムーズに目で追える図にするには、図形や矢印の配置が、きちんと時系列に並んでいる必要があります。ワークフロー図を作成する際は時系列を意識し、前後関係がある処理の適切な配置を心がけましょう。同時進行で行う処理は位置を揃えると、わかりやすいワークフロー図になります。
関係者全員がわかるものにする
ワークフロー図は、誰でも一目で業務の流れを確認できるような、わかりやすさや見やすさが重要です。また、業務の引継ぎ時にも使えるものでなければ機能しません。現在業務に当たっている担当者だけでなく、他部署の従業員や新入社員でもわかる図にしておくことがポイントです。
部署内では暗黙の了解になっている事でも、ワークフロー図を見るだけでわかるようにするには、確実に書き込むことが必要です。特に処理の開始条件や分岐条件は重要なので、明らかにわかるようにしておきましょう。
ツールの活用も検討する
効率的にワークフロー図を作成したい場合は、専用ツールの活用も検討しましょう。ワークフロー図の作成は、時間や労力がかかる作業です。分岐の少ない単純な図なら1から作ることも可能ですが、少し複雑なものになりそうな場合は、ツールを活用したほうが効率的かもしれません。
専用ツールを導入すれば、テンプレートや自動作成機能などを活用できます。より簡単に見やすいワークフロー図を作ることができるので、必要に応じてツールの活用を検討してみましょう。完成したワークフロー図の管理まで行えるツールもあるので、自社に必要な機能が揃ったものを探してみてください。
わかりやすい記号を使う
共通の理解が必要なワークフロー図は、基本的でわかりやすい記号を使うことが重要です。図形の形や色などは、処理の種類に合わせてバリエーションを持たせることも必要ですが、乱用すると逆に見にくくなる場合があります。わかりやすい記号を用いて、シンプルで見やすい図を作成しましょう。矢印なども、複雑に重なるような配置を避けることで、時系列を把握しやすい図になります。
まとめ
ワークフロー図を作成することで、業務を可視化することができ、作業内容がひと目でわかるようになります。ワークフロー図を上手に活用できれば、業務理解の促進や問題点の発見につながるので、業務効率の向上に大きく役立つでしょう。
ワークフロー図は、手順に沿って作成していく必要があります。場合によっては専用ツールを導入したほうが効率的なケースも多いので、検討してみるとよいかもしれません。
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