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目の前のシステム自動化だけに捉われない。業務の全体のつながりを理解し、真の顧客課題を解決する

お客様が求める業務改革とは?キーワードは手作業と業務間の連携

ーーDX改革にあたってお客様から解決を求められることの多い課題はありますか?

はい、多くのお客様から、紙や人の手に頼っている業務プロセスをもっと楽に、もっと効率的にしたいというご要望をいただいています。システムはすでに導入されていても、部門間や業務間での連携部分に手動の作業が残っていることが多いです。

私たちはシステム間の連携を自動化することで、こういった課題に対応しています。例えば、SAPのような基幹システムや、M365のようなクラウドシステムとの連携を強化することで、業務の効率化を図ることができます。システム間のスムーズな連携が、業務改革の大きな鍵になると考えています。

ーーこのような課題を抱えやすいお客様の特徴はあるのでしょうか?例えば会社の規模や業界などに傾向があったりしますか?

紙や人の手で行っている作業を効率化したいという課題については、会社の規模に関係なく持っていると思います。ただ、JSOLが対応するお客様の中には大規模な企業様が多くいらっしゃいます。大きな会社の場合、効果を実感しやすい傾向にありますね。

なぜ大きな会社が効果を実感しやすいのかというと、大企業の場合は業務が多岐にわたっていることが多く、各部門が独立して動いているからです。それぞれの部門が連携することで、全体としての効率化が図れるため、効果が出やすいと考えています。部門間の連携がスムーズになることで、業務プロセス全体の改善につながります。

そのため、部門や業務間の連携が多いと、DX改革の恩恵を受けやすいというわけです。部門・業務間での情報共有や業務プロセスの統合が進むことで、より大きな効果を実感していただけます。

不動産業界の大企業の場合

ーー実際にはお客様からどのような依頼を受けることが多いですか?

お客様からの依頼内容で多いものは、大きく分けて二つのパターンがあります。

一つ目は、ITサービスマネジメント(ITSM)を通じた業務の一元化です。例えば、IT部門がメールや電話で受け付けている業務をServiceNowを使って一元管理することや、ITの予算をExcelでまとめて提出するような業務をワークフロー化して管理することなどがあります。

お客様の既存の業務プロセスとServiceNowの機能を、どのように組み合わせるかを見極めながら進めていきます。

二つ目は、ノーコードやローコードを活用したサービスの開発です。こちらはお客様の具体的な業務プロセスに合わせてシステムを構築していくことになります。

ある程度はテンプレート化された形で進めることもありますが、テンプレートに合わない場合は一からシステムを作り上げる必要があります。特に新規でシステムを構築する場合、お客様自身も最終的にどのようなものができるかのイメージが湧きにくいため、システムの画面を見ながらお客様とイメージを共有して、一つずつ詳細を詰めていく作業を行っています。

システムを入れたら不便になった?思わぬ課題を乗り越えたコミュニケーション術

ーーDXは課題の洗い出しが大事だとお聞きしますが、真の課題を引き出すために取り組んでいることはありますか?

お客様が抱える課題を引き出すためには、まずお客様が困っている点に対して、どのように解決できるかを具体的に提示することが重要だと考えています。

多くの場合、お客様自身がシステムを通じて何が実現できるのか具体的なイメージを持ちにくいものです。そのため、私たちから積極的に解決策の案を提示し、その案がお客様のイメージと合っているかを確認しながらすり合わせをしていきます。

さらに、我々がお客様の業務内容を深く理解することを非常に重視しています。お客様に今困っていることが何かをヒアリングしますが、時にはお客様自身も完全には把握していない課題が存在することがあります。

私たちがお客様の業務を深く理解することで、より深いレベルでのコミュニケーションが可能となり、課題がより明確になっていきます。

ーーシステム化を進めるうえで難しいと感じるケースはありますか?

システム化を進めるうえで難しいと感じるケースは確かにあります。特に、システム化によって逆に不便になってしまうような状況ですね。

例えば、工場の現場などでPCがすぐそばにない場合、システムを利用するためにわざわざ事務所に戻る必要が出てくることがあります。このような場合、システム導入のメリットだけでなく、現場での手間がむしろ増えるというデメリットも生じてしまいます。

そこで大切になってくるのが、運用面での工夫や、運用を工夫してもらうために現場からの理解と支援を得ることです。

業務全体としての最適化を図るメリットはもちろん大切ですが、現場の視点でのメリットについても十分に検討し、関係者に丁寧に説明し納得を得ることが、スムーズなシステム導入につながります。

システム化が一筋縄ではいかない場合には、業務プロセスをシステムに合わせるのか、それともシステムを業務プロセスに合わせるのか、お客様と綿密にコミュニケーションを取りながら、状況に応じて柔軟に対応していくことが大事です。

ーーお客様とのコミュニケーションが大事ということですね。具体的にはどのようにコミュニケーションを取っていくのでしょうか?

お客様とのコミュニケーションにおいては、ServiceNowの提供する機能と活用方法について詳しく説明することから始めます。

ServiceNowのワークフロー機能を使って業務プロセスを効率化する方法や、お客様の既存の業務に合わせてノーコード、ローコードでカスタマイズする方法など、ケースバイケースでさまざまな解決策があります。

重要なのは、お客様のニーズに応じて柔軟に対応し、最適な解決策を一緒に考えていくことです。このようなやり方で、お客様の業務改善に貢献していくことを目指して、丁寧なコミュニケーションを心がけています。

お客様から「JSOLに頼んで良かった」と言ってもらえた理由とは

ーーDX、業務プロセス改革の成功事例として印象に残っているプロジェクトはありますか?

DXや業務プロセス改革の成功事例として特に印象に残っているのは、ノーコード・ローコードを活用してServiceNowとM365(Microsoft 365)を連携し、システムのアカウント申請プロセスを自動化したプロジェクトです。

もともと登録と承認のプロセスは自動化されていましたが、その後のM365への登録作業が手動で行われていました。この部分をServiceNowを介した自動連携によってシームレスに行えるように改善しました。

業務プロセス改革によって、アカウント登録が完了するまでに5営業日かかっていたのが翌営業日にまで短縮され、サービスレベルの大幅な向上を実現しました。

このプロジェクトを通じて、お客様から「よいものができた。JSOLに頼んでよかった」という大変ありがたい感謝の言葉をいただいたことが、強く印象に残っています。

ーー5営業日が翌営業日になったのはすごい改善ですね。サービスレベルを向上させるために取り組んだことはありますか?

サービスレベルを向上させるためには、単に機能の提供にとどまらず、お客様の業務全体がどのように連携していくかについて深く理解し、入念に話し合うことを心がけました。

ServiceNowを中心としたシステム構築では、ServiceNowだけでなく、他のシステムとの連携も重要になります。そのため、JSOLが担当するServiceNowの部分だけでなくお客様の業務プロセス全体を把握し、どのようなインプットがあり、どのように情報が流れ、最終的にどのようなアウトプットが求められるのかについて、繰り返し話し合いました。

それなりに時間がかかる大変な作業でしたが、しっかりとコミュニケーションを取ったことがプロジェクト成功につながったと考えています。

結果として、業務内容を深く理解したうえでの提案ができ、お客様からは安心感を持ってJSOLに任せることができたというフィードバックをいただきました。お客様の業務を深く理解し、お客様に寄り添った提案をすることが、JSOLを選んでいただく大きな理由になっていると感じています。

ーーお客様の業務をよく理解することが成功の秘訣なのですね。ではお客様の業務を理解するために意識していることはありますか?

お客様の業務を深く理解するためには、まずコミュニケーションを積極的に取ることを心がけています。むやみに多くすることはありませんが、適切なタイミングで丁寧なコミュニケーションを取ることが非常に重要です。

もう一つあるのが、JSOLにはさまざまな業界や業務に精通したメンバーがいることです。特に製造業や製薬業に関する知識を持つメンバーが多いと思います。

お客様の業務は、たとえ同じ業界内であっても会社ごとの違いが大きいため、テンプレートに当てはめて共通化することはなかなか難しいです。そのためJSOLの持つ業界知識を活かしながら、これまでの経験を踏まえて、お客様とのコミュニケーションを重ねていきます。

業界や業務に対する知識と経験値が社内に蓄積されていることが、JSOLがお客様の業務を深く理解できる理由だと考えています。

ーーDX、業務プロセス改革を行ったことによる「思わぬ副次効果」のようなものが生まれた事例はありますか?

一番印象に残っているのは、タスクの可視化を通じて業務改善のPDCAサイクルが回り始めたことです。

システム導入前はアナログな作業が多く、多くのタスクが見えにくい状態でした。これがシステム化を進めることで、タスクの数や状況が見えるようになり、タスク滞留の解消や状況の問合せの削減などの効果が生まれました。

さらにタスクのデータを蓄積することで、その業務プロセスがどのくらい発生していて対応にどのくらいの時間がかかっているのか、何がボトルネックになっているのか、ということが見える化できました。

システムによって業務を効率化するだけでなく、データを活用してさらなる業務改善に繋げていくことが、DX化を進めるメリットの一つだと感じています。

JSOLはお客様と積極的にコミュニケーションを取り、業務を深く理解することで、お客様が求める”真の”課題を明確にし、解決するためのご提案を続けて参ります。