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【後編】日本で初めてSAP Commerceを導入した平山さんにDX成功の秘訣を聞く

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【よくあるミス】目的を見失ったプロジェクトは失敗する

ーーDX推進のプロジェクトを進めるうえで気をつけていることはありますか?

プロジェクトを進めるうえでも、「何のためにシステムを導入するのか」という目的を明確にすることが非常に重要です。この目的をプロジェクトの初期段階でしっかりと設定し、チーム全員で共有することで、プロジェクト進行中に発生する予期せぬ問題を見つけることができます。

何のためにシステムを導入するのかという目的が、プロジェクトを進めるための軸となるイメージです。長丁場のプロジェクトを進めていくと、いつの間にか目的から逸れてしまうことが良くあります。軸をしっかりと定めて軸からブレていないかを常に気にすることで、些細な違和感に気づき、すぐに軌道修正できるようになるのです。目的が明確であればあるほど、プロジェクトの方向性を見失うことなく、チーム全体が一致団結して目標に向かって進むことができます。

ですのでプロジェクト開始時には、お客様との間で目的について深く掘り下げて合意を形成することが非常に重要です。これによって、お客様が何のためにシステムを導入するのかを明確にできますし、プロジェクトが目指すべき方向性も定まります。

ーープロジェクトの目的をお客様と合意する際に、特に意識していることはありますか?

意思決定者とコミュニケーションを取ることが非常に重要だと考えています。現場担当者だけでなく、プロジェクトに関わる様々な階層の人と意見を交わし、それぞれの目線から多角的にプロジェクトの方向性を検討する必要があります。

ただし、意思決定者とのコミュニケーションが上手くいくケースもあれば、意思決定者とのコミュニケーションが一筋縄ではいかないケースもあります。お客様とのコミュニケーションは重要なポイントですが、結構大変な部分でもありますね。意思決定者とのコミュニケーションが上手くいったプロジェクトはスムーズに進みやすくなります。

JSOLがお客様から選ばれる3つの理由とは?一番の強みは業界の豊富な知識

ーーJSOLさんはお客様からどのように信頼を得ているのでしょうか?「さすがJSOL」と思われる瞬間はどのようなときですか?

JSOLがお客様から信頼をいただいている点は大きく3つあると思います。

まず、医薬・製薬関係や消費財など、特定の業界に関する豊富な知見を持ったメンバーが在籍していることです。豊富な業界知識を活かしてお客様の業務内容を深く理解し、それに即した提案ができることを評価していただけていると考えています。

次に、プロジェクトマネジメントの能力です。プロジェクトを確実に推進させるスキルを持った人がPMとしてプロジェクトをリードし、しっかりとプロジェクトをやり切るということを積み重ねて来たことが、お客様から信頼に繋がっているのでないかと思います。

三つ目は、セキュリティやコンプライアンスに対する取り組みです。金融業界からの流れを汲みつつNTTデータ系のDNAを持つJSOLには、セキュリティやコンプライアンスに関して徹底する文化が根づいており、こういった部分をきっちりと行う点が信頼に繋がっているのではないでしょうか。

JSOLがお客様から選ばれる3つの理由とは?

ーー今のお話を聞いて特に業界の理解という点が特徴的だと感じました。JSOLの業界理解の強さはどこから来ているのでしょうか?

その点については、大きく分けて2つの理由がありますね。

まず一つ目は、JSOLが業界との関わりを始めてからの歴史が非常に長いということです。JSOLの特徴としてお客様と長期的にお付き合いすることが多いというのがあり、長期に渡って密接な関係を築いてきたことで、知見が蓄積されています。

そして二つ目は、蓄積された知見を途切れることなくしっかりと継承している点です。これにより、業界の深い理解とそれをビジネスに活かす力が育っているというわけです。

ーーお客様と長期にわたるお付き合いをすることで、提案の幅が広がったりすることがあるのでしょうか?

はい、そういったケースもあります。例えば、お客様の基幹システムの刷新をきっかけに、さまざまな新しいビジネスチャンスをいただくことがありました。ServiceNowをはじめとするフロントエンドのシステムや、ECサイト、SFAなどの周辺システムに関する引き合いをいただくことが多いです。様々なシステムをシームレスに連携したいというニーズがあり、業務を詳しく知ってるJSOLにまとめて依頼したいということでご要望をいただくケースがあります。

ーー知識の継承というのは同じ担当者が継続して関わるのですか、それとも色々な人に引き継がれていくのでしょうか?

JSOLでは、仕事が個人に張り付くようなことをせず、複数のメンバーでローテーションしながら仕事を回していく方法を取っています。ただローテーションといっても、まったく異なる業界への異動ではなく、似たような業界内でメンバーを回しながら経験を積んでいくことが多いです。これにより、一つのお客様に特化した知識だけでなく、業界全体の知識を習得していくことができるわけです。

日本初のSAP Commerce導入を成功に導いたJSOLの「推進力」

ーーDXや業務プロセス改革の案件で、特に印象に残っているものはありますか?

特に印象に残っているのは、4~5年前に担当したSAP Commerce案件ですね。この案件は私が営業から関わりを始めて、その後プロジェクトマネージャーとして参加しプロジェクトを完遂させたものです。その結果、お客様から高い評価をいただいたこともあり、大変印象に残っています。

その時には「プロジェクトが成功したのは、JSOLのサポートがあったからだ」という大変ありがたい言葉をいただきました。それとお客様との関係性を表すエピソードとしてあるのが、JSOLが開催した講演会でそのお客様にご登壇いただくことがあり、その際に私も一緒に登壇してほしいと言っていただいたことがありました。時間の関係で結局私が登壇することはなかったのですが、それだけお客様と良い人間関係を築くことができていたのだと思っています。

ーーSAP Commerceの導入案件において、特に難しかった点はありますか?

実はこの案件は日本で初めてSAP Commerceを導入するというもので、特に難易度が高いプロジェクトだったんです。ノウハウがほとんどない中で手探りでプロジェクトを進めていくのは非常に大変でした。

ServiceNowを導入するにあたっても同じことがいえるのですが、JSOLの大きな強みの一つが「プロジェクトの推進力」なんです。日本で初めてSAP Commerceを導入するという難しい案件でもプロジェクトをしっかりと進めることができたのは、JSOLの推進力があってこそだと思っています。このプロジェクトの推進力については、自信を持ってアピールできます。

どんなプロジェクトでも「やり切る」のがJSOLの文化!その秘密を深掘り

ーーJSOLの推進力の強さというのは、どのようなところから来ていると考えられますか?

私たちJSOLの推進力の根底には、会社の特長が大きく関わっていると思います。具体的には、JSOLのメンバーには真面目で実直な人材が多く、それが高い推進力に繋がっているんじゃないかなと考えています。

だからこそ、JSOLには「やり切る」文化が根付いています。お客様がプロジェクトをやめると望まない限り、私たちは決して途中でプロジェクトをやめることはありません。この絶対に諦めない姿勢が、推進力の強さに結びついていると思います。

ーープロジェクトを進める中で、やめたくなるような大変な瞬間もあるかと思いますが、そのような時はどのように乗り越えていらっしゃるのでしょうか?

確かに、プロジェクトには予期せぬ課題が発生してやめたくなるようなこともあります。ですが、私たちはどんな困難も「どうにかして乗り越える」という姿勢で切り抜けています。

プロジェクトは生き物のようなもので、その時々でさまざまな課題が出てきます。その都度、状況に応じて深く考え臨機応変に対応していくことが大切です。JSOLでは、このような柔軟な対応ができる人材がプロジェクトマネージャーとしてアサインされます。つまり、難しい状況に直面した時も適切な判断と行動で切り抜ける力を持った人材がいるからこそ、困難を乗り越えることができるのだと思います。

ーープロジェクトを臨機応変に進めるために、チームメンバーに対してアドバイスしていることはありますか?

まずはお客様の業務やプロジェクトの進め方などにおいて、あるべき姿を明確にしてメンバーに共有することです。その上で、あるべき姿から逸脱していないかを常に気にするように伝えています。あるべき姿から逸脱している場合は、何らかの問題が発生していたり、違和感を感じるはずです。しかし問題が起きていてもスルーしてしまうケースが往々にしてあるため、そうならないよう違和感を見逃したり放置したりせず、すぐに対処するということをとても大切にしています。

違和感に気づいて対応できるために、チーム内での相談のしやすさ、コミュニケーションの取りやすさが大事になってきます。JSOLはフラットな社風ですので、コミュニケーションを取るために、無駄な段階を踏む必要がなく、すぐに話ができる体制が整っています。エスカレーションや意思決定の速さは、JSOLの大きな特徴の一つです。これによりメンバーが迅速に問題を解決することができ、プロジェクトを推進させていくことに繋がっています。

このように、「プロジェクトを必ずやり抜く推進力」と「業界の豊富な知識」というJSOLの強みを活かしてDXを成功に導き、お客様の事業の成長に貢献します。